嫌がらせ被害に対する慰謝料相場と請求の手順
騒音などの迷惑行為やパワハラ・セクハラには、何らかの対抗措置を取らなければなりません。
最も有効なのは、相手に慰謝料請求をすることです。
慰謝料を取って経済的なダメージを与えれば、相手への制裁になると同時に再発防止にもつながります。
嫌がらせ被害の慰謝料相場や請求手順について見ていきましょう。
嫌がらせの被害は、警察に相談しても対応してもらえないことが少なくありません。
被害が軽微だったり刑事罰に問えない行為だったりすれば、警察は動くことができないからです。
そんなケースでも、慰謝料を請求することはできます。
慰謝料は不法行為による精神的苦痛を埋め合わせるためのお金だからです。
相手との話し合いで解決することも
また、慰謝料の請求や支払いの方法は、法律で厳密に決められているわけではありません。
相手に対して慰謝料を請求し、相手が応じてくれればそれでいいのです。
話し合いで平和的に解決したトラブルもたくさんあります。
嫌がらせの相手の特定と証拠は必須
しかし、嫌がらせの犯人がわからなければ、慰謝料請求は行なえません。
目星をつけた相手に慰謝料を請求しても、話し合いにはまず応じてくれないでしょう。
証拠が少なければ、裁判で勝つこともほぼ不可能です。
十分な証拠があれば、裁判で有利になるだけではなく、話し合いで相手の譲歩を引き出せる可能性があります。
つまり、早い段階で決着がつけられるのです。
自力で証拠を集めるのが難しければ、探偵の嫌がらせ調査を利用してください。
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嫌がらせの慰謝料の相場は、50万円から300万円程度です。
かなり幅が広く感じるかもしれませんが、これは慰謝料の金額が嫌がらせの内容次第で大きく変動するからです。
基本的に、慰謝料の金額は精神的苦痛の大きさに比例します。
より高額の慰謝料を取りたければ、精神的苦痛が多大なものであったと証明しなければなりません。
とはいえ、苦痛の感じ方は人それぞれですから、単に「私はつらい思いをした」と訴えるだけでは請求を認めてもらえないでしょう。
相手自身はもちろんのこと、裁判官や調停委員が「これは相当な苦痛があったはずだ」と判断してくれるだけの材料を集める必要があります。
以下のものは証拠として有用なので、できる限り集めるようにしてください。
嫌がらせの証拠として有効なもの
- 犯行の様子を収めた動画や音声記録
- 犯行の内容や時間の詳細な記録
- 嫌がらせが原因で病気になった場合、その診断書
- 嫌がらせが原因で求職や退職に追い込まれた場合、その証明
慰謝料請求の流れを簡単にまとめると、以下のようになります。
慰謝料請求の流れ
- 嫌がらせの犯人を特定し、証拠を集める。
- 相手に慰謝料を請求する(内容証明郵便を使うとよい)。
- 相手と話し合いの場を設ける。
- 話し合いで決着がつかなければ、裁判所に調停を申し立てる。
- 調停で決着がつかなければ、慰謝料請求訴訟を起こす。
- 裁判で訴えが認められれば、相手から慰謝料が支払われる。
注意が必要なのは、やはり「1.嫌がらせの犯人を特定し、証拠を集める。」です。
慰謝料請求が認められるかどうかは、集めた証拠で決まるといっても過言ではありません。
証拠が十分かどうか判断できない場合は、弁護士に相談するといいでしょう。
調停や裁判も、弁護士の力を借りれば有利に進められますから、早い段階で相談することをおすすめします。
慰謝料請求を行えば、嫌がらせの事実を公にすることができるため、請求すること自体に意味があるもいえます。
それでも、できれば慰謝料を取りたいというのが多くの人の願いでしょう。
相手への制裁や再発防止の観点からいっても、請求を認めてもらうことが望ましいのです。
十分な証拠を入手し、弁護士の力も借りて慰謝料を勝ち取ってください。