【近所トラブル】裁判所の調停を有利に進めるための3つのポイント
騒音・悪臭や違法駐車、土地の境界などをめぐるご近所トラブルは、あちこちで発生しています。
話し合いで解決できなければ、裁判所に調停を申し立てるしかありません。
調停を有利に進めるには、どのような点に気をつければいいのでしょうか?
ここでは、調停の流れや有利に進めるためのポイントを解説します。
調停は、裁判所に申し立てることで行える公的な話し合いです。
第三者である調停委員を仲介役とし、問題の解決に向けて話し合います。
ご近所トラブルの場合、個人的な争いを解決するわけですから、行われるのは「民事調停」です。
調停委員は豊富な法律知識を持っていますが、裁判官のように結論を出してくれるわけではありません。
当事者の疑問に答えるなどして、話し合いを円滑に進め、合意へ導くために存在しています。
そのため、合意に達するためには当事者が積極的に話し合わなければなりません。
調停のメリット
調停のメリットは、大きく分けて2つあります。
1つは、調停委員を交えることで冷静な話し合いができること。
もう1つは、結論が裁判の判決とほぼ同等の効力を持つことです。
つまり、法的な強制力が生まれるため、相手も従わざるをえなくなります。
個人的な話し合いで結論を出すよりも、問題が解決できる可能性が高くなるわけです。
調停は経験したことがないという人も多いでしょう。
でも、調停を行うための手続きは比較的簡単です。基本的な流れを知っておきましょう。
調停の手続の流れ
- 相手の住所を管轄する簡易裁判所を訪問する
- 調停の内容に応じた書類に記入し、申立を行う
- 手数料を納付する(申立書に収入印紙を貼るのが基本)
- 調停の期日が指定され、当事者双方に呼び出しがかかる
- 調停の日に裁判所へ行き、話し合う
- 合意に至った場合、調停成立となる。合意に至らないか、相手が出頭しなかった場合、調停不成立となる
- 調停不成立の場合は、裁判など次の手段を検討する
調停での注意点
手数料は、ご近所トラブルの解決の場合は1,000円〜2,000円程度です。
ただし、土地の権利関係やお金の貸し借りが絡むと、より高額になることもあります。
その他、以下の点に注意してください。
相手の名前や住所がわからなければ申し立てられない
嫌がらせの犯人が特定できていない場合などは、先に証拠を押さえる必要があります。
相手が出頭しなければ調停は不成立になる
調停への参加そのものは強制ではないので、相手が拒否すれば行うことはできません。
不成立になった場合は、次の手段として訴訟を検討しましょう。
調停を行うからには、自分にとって有利な結論に至らなければなりません。
有利に進めるためには、以下の点に気を配りましょう。
確実な証拠をつかんでおく
法律に基づいた話し合いを行う場なので、個人的な話し合い以上に証拠が重視されます。
嫌がらせを受けているなら、相手の犯行現場を動画に収めるなどして動かぬ証拠を作りましょう。
また、騒音問題なら音量の測定を行い、法的に問題のある音量を出していると証明しなければなりません。
嫌がらせの証拠の押さえ方は、こちらの記事を参考にしてください。
【ご近所トラブル】探偵を利用して早期解決に導く3つのステップ
トラブルの経緯をまとめた資料を作成する
ご近所トラブルというのは「そっちが悪い」「いや、元はといえばそっちのせいだ」という水掛け論になりがちです。
自分の正当性を証明するためにも、トラブルの経緯をまとめた資料を作成しましょう。
何がきっかけとなったかはもちろん、迷惑行為のあった日時や内容も細かく記載しておけば、信憑性が高いとして有利になれます。
まとめ - 本気でトラブルを解決したければ、調停を利用しよう
ご近所トラブルは、できれば当事者のみの話し合いで解決したいものです。
しかし、どうしてもお互いに納得ができなければ、調停に踏み切った方が得策です。
結論に強制力が生まれるのはもちろん、自分が本気だということを相手にわかってもらえるでしょう。
遠慮していても話が長引くだけなので、早期決着のためにも調停を利用してみてください。